みなさんこんにちは。
みやざわ整骨院の院長の宮澤です。
今日はアキレス腱炎について解説していきたいと思います。
目次
アキレス腱炎とは?
アキレス腱とはふくらはぎの筋肉と踵を結ぶ腱のことです。この腱の部分に炎症が起こった状態をアキレス腱炎と呼びます。
スポーツなどで頻繁に走ったり、ジャンプを繰り返すことでアキレス腱に過度に負荷がかかり炎症が起きてしまうケースが多く見られます。
同じアキレス腱でも炎症の出る部分により①アキレス腱炎②アキレス付着部炎③アキレス腱周囲炎④アキレス腱滑液包炎の4つに分類されます。
どの部分の炎症でも基本的にはアキレス腱炎と同じ方法で治療していくことが多いです。
アキレス腱周囲炎
アキレス腱の周囲の軟部組織に炎症が起きた状態です。
アキレス腱付着部炎
アキレス腱が踵に付着している部分で炎症が起きた状態です。
アキレス腱滑液包炎
アキレス腱とか踵の間にある袋(中は液体)の部分で炎症が起きるた状態です。
アキレス腱炎の原因
アキレス腱炎の原因は様々ですが代表的な原因は以下の通りです。
- 過度な運動やトレーニング
長時間のランニングやジャンプなど、アキレス腱に過度のストレスを与える運動が原因で発生することが多いです。 - 急な運動量の増加
急に運動の強度や量を増やした場合、アキレス腱に必要な適応時間が足りずに炎症を引き起こすことがあります。 - 不適切な靴や機材の使用
サポートやクッションが不足している靴を使用すると、アキレス腱に余分な負担がかかり、炎症を引き起こすことがあります。 - 足の構造やバイオメカニクスの問題
扁平足や高アーチなど、足の形状や歩行パターンに問題がある場合、アキレス腱に不均一なストレスがかかりやすくなります。 - 加齢による腱の弾力性の低下
加齢に伴い腱の弾力性や耐久性が低下し、炎症を引き起こしやすくなります。 - 筋肉の柔軟性不足
ふくらはぎの筋肉が硬いと、アキレス腱に余計なストレスがかかり、炎症のリスクが高まります。 - 他の疾患の影響
リウマチや痛風などの疾患が、アキレス腱炎の発症に関与することもあります。
アキレス腱炎の症状
アキレス腱炎の症状は多岐に渡りますが当院でよく聞く症状としては
- 運動時のアキレス腱部の痛み
- 歩行時の痛み
- 寝ていると踵が痛い
- 寝て起きた後の歩き出しが痛い
などです。
このような症状が出ている場合はアキレス腱炎の可能性があります。
アキレス腱炎で痛みがでる場所は?
アキレス腱炎で特に痛みがでる場所は上の画像の2つの部分です。
アキレス腱中央部と言われるふくらはぎと踵の中間くらいの場所。もうひとつはアキレス腱付着部と言われる踵の骨に近い部分です。
アキレス腱炎は子どもでもなる?
アキレス腱炎は30代から40代の方で受傷することが多いですが、子どもでも受傷することがあります。
特に中学生になって部活で本格的に運動を始めるとアキレス腱に負荷がかかり発症するというケースが多いです。
部活を一生懸命やっている子どもは痛みがあっても無理に続けてしまい、気づいた時には重症化しているという事も多いので早めに治療することが大切です。
アキレス腱炎のセルフチェック方法
アキレス腱炎のセルフチェックの方法を紹介します。
あくまでセルフチェックです。これらの項目に当てはまる場合は専門の医療機関を受診しましょう。
- 痛みの確認:立ち上がった状態で、アキレス腱を軽く触ってみてください。腱の中央部や、かかとの骨(踵骨)に接する部分に痛みや腫れがあるか確認します。
- 圧痛のチェック:アキレス腱に軽く圧力をかけてみてください。圧力をかけたときに痛みが増す場合、アキレス腱炎の可能性があります。
- 動きの確認:足首を動かしてみてください(上下に曲げるなど。動かす際に痛みや違和感があるかどうかをチェックします
- 歩行時の痛み:
歩いたり走ったりする時に、アキレス腱に痛みがあるかどうかを観察します。 - 腫れや硬さの確認:
アキレス腱の周囲が腫れている、または特に硬いと感じる場合、炎症が起きている可能性があります。
アキレス腱炎の治し方
まずは安静にすることが一番です。スポーツなどのオーバーユーズが原因となっている場合はしばらく中止した方が良いでしょう。
またアイシングや湿布などで炎症を抑えることも効果的です。また扁平足などの足部のアライメント異常がある場合はインソールなどが有効な場合もあります。
治療期間はおおよそ2週間~6週間程度になることが多いです。
アキレス腱炎のセルフケア
この項目ではアキレス腱炎になってしまった場合のセルフケアの仕方を紹介していきます。
湿布の貼り方
上の画像のようにアキレス腱部に湿布を貼りましょう。踵の部分は歩いている際にぐちゃぐちゃになってしまうことが多いので穴を空けておく方が良いでしょう。
アキレス腱炎にはロキソニンテープがおすすめ!
アキレス腱炎の患者様に「湿布はどんなものがおすすめですか?」と聞かれることがよくありますが当院ではロキソニンテープをおすすめしています。
おすすめの理由としては
- 1日1回で24時間効果が続くこと
- 鎮痛消炎効果が高いこと
- 今まで施術させて頂いた方の声を聞くと最も効果が期待できる
からです。
特に下で紹介しているロキソニンテープは鎮痛消炎作用のあるロキソプロフェンナトリウム水和物分量が8.1gと他のロキソニンテープよりも多く入っているので強い痛みの方にはおすすめです。
テーピング
アキレス腱炎のテーピング方法としてキネシオテープを使った方法があります。キネシオテープは薬局などでも買うことができるのでおすすめです。
ストレッチ
アキレス腱炎のストレッチ方法を紹介した動画がありましたので紹介します。
サポーター
アキレス腱を保護し足首の動きをサポートすることでアキレス腱にかかる負担を軽減することができます。
当院でおすすめしているサポーターを紹介します。
ザムスト AT-1 (アキレス腱用サポーター 左右兼用)
スポーツブランドとして有名なZAMST(ザムスト)が開発したアキレス腱サポーターです。
これはアキレス腱専用に設計されており、バスケットボール、剣道、バドミントン、テニス、サッカーなど、様々なスポーツでの使用に適しています。
アキレス腱周辺をやさしく包み込むアキレス腱パッドが、腱とかかとの安定感を向上させることでアキレス腱へのストレスが軽減され、痛みの軽減に役立ちます。
また、テーピング機能を備えたアウターストラップは、かかとを安定させ、足首の動きを制御し、さらにアキレス腱への負担を減らします。
またフィット感にも定評があります。
立体裁断により、どんな動きにもフィットし、快適な着用感を提供します。
柔らかくクッション性のある素材がアキレス腱を優しく保護し、スポーツ中も最高のパフォーマンスをサポートします。
サイズ選びも簡単で、シューズサイズに合わせて選ぶことができるのでアキレス腱炎の方の最初のサポーターとして特におすすめできる商品です。
マッサージ
セルフでマッサージをする場合は患部を直接、触るのではなくふくらはぎをさするような感じでマッサージしてあげることでアキレス腱にかかっている負荷を軽減する効果が期待できます。
アイシング
アイシングをすることでアキレス腱炎の炎症を抑えることができます。以下に目的ややり方を解説します。
- アイシングの目的
走りすぎなどで熱感があるアキレス腱の痛みに効果的です。特に、左右のアキレス腱に熱感の差がある場合にお勧めされています。 - 使用方法
専用のアイスパックがなくても、布で巻いた保冷剤でアイシングが可能です。直接氷を肌に当てるのは避け、保冷剤に足をのせてアキレス腱を押し付けることで効果が高まります。 - 時間と頻度
一度に15分から20分間が目安ですが、女性や子供、または皮膚が弱い人はそれより短い時間でも良いでしょう。お風呂上りに1日1回行うのが効果的です。ただし、お風呂前に行うと、冷やしたアキレス腱を温めてしまう可能性があります。 - 注意点
アキレス腱は後ろだけでなく、内側や外側からも冷やすことができます。同じ部分だけでなく、側面からも冷やしてください。また、凍傷のリスクがあるため、冷やし過ぎには注意が必要です。
痛みの出ない歩き方
アキレス腱炎では痛みのため歩くのも辛いという方がたくさんいらっしゃいます。
そんな時は歩き方を工夫することで痛みを軽減できるかもしれません。
以下にアキレス腱炎の方が痛くならないような歩き方の例を書きます。
- 靴の選択:
- アキレス腱炎で歩き方が不自然になる場合、靴を見直すことが推奨されます。
- 踵が高めの靴やインソール、ヒールウエッジを使用して踵を少し高くし、固定することで痛みが緩和され、歩き方が改善される可能性があります。
- 歩き方の調整:
- 足の裏全体を使って地面に足を置くように接地し、両足の間隔を腰幅程度に取る。
- 手は無理に振らず、身体の動きに合わせて自然に振る。
- 足の指で地面をしっかりとつかむような感覚で歩く。
- 坂道を歩く時は、上り坂は逆八の字歩き、下り坂はつま先から着地するようにする。
- 階段を上る時はお尻から上げるように、下る時はお尻を一緒にイメージしながら足をそっと下ろす。
アキレス腱炎は温めた方がいいの?冷やした方がいいの?
先程、アキレス腱炎のアイシングの方法を解説しましたがインターネット上では「アキレス腱炎は温めた方が良い」といしているサイトもあります。
この記事を読んでいる方の中にはアキレス腱炎は温めた方が良い?冷やした方が良いの?と悩んでいる方も多いと思います。
当院ではアキレス腱炎の急性紀と慢性期によって冷やしたり温めたりしています。
急性期のアキレス腱炎とは痛みや腫れが起きる初期の段階で反対側のアキレス腱と比較して明確に腫れや熱感を持っている状態の時です。
そのような時は炎症を抑えるためにアイシングを行います。
一方で慢性期なアキレス腱炎の場合は痛みはあるものの反対側と比較して腫れや熱感を認めない症状の時です。
この場合は温めることで血流が促進され、筋肉や腱の柔軟性が向上し、回復が促す効果が期待できます。
実際に熱を持っている時はアイシング、そうでない場合は温めると覚えておくと良いでしょう。
アキレス腱炎を走りながら治すことは可能?
アキレス腱炎の人の中にはマラソンを趣味にしている方も多いと思います。
「アキレス腱炎だけどなんとか走りながら治したい」
と思っている方も多いのではないでしょうか。
実際に走りながらアキレス腱炎を治した人もいますがテーピングやサポーター、医療関係者からのアドバイスなどのサポートがあってこそということが多いです。
自己流の治療で走りながらアキレス腱炎を治そうとすることは症状をかえって悪化させる原因にもなるので気をつけましょう。
アキレス腱炎をほっとくとどうなる?
アキレス腱炎の症状を放置していると以下のような症状になることが考えられます。
アキレス腱炎の症状がある方はなるべく早く医療機関を受診しましょう。
- 症状の悪化
痛みや腫れが増し、日常生活に支障をきたすようになる可能性があります。 - アキレス腱の慢性化
炎症が慢性的になり、痛みが長期間続くようになることがあります。 - アキレス腱の部分的な断裂
炎症が続くことで腱の強度が弱まり、部分的な断裂を起こす可能性があります。 - 完全断裂のリスク
最も深刻な合併症の一つで、アキレス腱が完全に断裂することもあります。これは非常に痛みが強く、歩行が困難になり、手術が必要になることが多いです。 - 歩行困難
痛みや腱の損傷が進むと、歩行に支障をきたすことがあります。 - 周囲の筋肉への影響
アキレス腱の問題が長引くと、足首や脚の他の部分の筋肉に負担がかかり、そこにも問題が生じる可能性があります。
アキレス腱炎が治らないときは
まだ医療機関を受診していない場合は早めに受診しましょう。当院では電気療法や患部の負荷を軽減するための筋肉調整、柔軟性向上のためのストレッチや運動療法、テーピングなど患者様本人に合わせた施術プログラムを提供しております。
もしアキレス腱炎でお悩みの際はお気軽にご相談下さい。
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