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腰痛の原因一覧

みなさんこんにちは。

長野県長野市のみやざわ整骨院、院長の宮澤です。

今回は腰痛の原因について解説していきたいと思います。

どうして腰が痛いのか分からない!

という人はぜひ、この記事を参考に適切な治療を受けて下さい。

腰痛の種類は大きく分けて二種類

腰痛と一言で言っても原因は様々です。

しかしざっくりと分類すると「特異的腰痛」と「非特異的腰痛」の二種類に分類することができます。

まずはこの2種類の解説からしていきます。

特異的腰痛とは?

特異的腰痛を簡単に説明すると「原因が特定できる」腰痛ということになります。

原因が特定できるというのは例えばレントゲンやMRIなどの画像検査やその他の検査ではっきりと腰痛の原因が分かる状態を指します。

後で詳しく解説しますが腰痛ヘルニアや脊柱管狭窄症、圧迫骨折などはレントゲン等の検査をすればはっきりと腰痛の原因が映し出されます。

このような腰痛を「特異的腰痛」と呼びますが全腰痛の中の10%から15%と言われています。

非特異的腰痛とは?

非特異的腰痛は、特定の病気や明確な原因が特定できない腰痛を指します。

多くの腰痛がこの「非特異的腰痛」に分類されます。原因としては、筋肉の緊張や、姿勢の悪さ、ストレスなどが考えられますが、具体的な原因は特定されていないことが多いです。

院長
院長

腰痛がひどくて病院に行って検査を受けても問題なしと言われてしまうのは非特異的腰痛だからです。ほとんどの腰痛は検査を受けても原因不明と言われてしまいます

 

特異的腰痛(原因が分かる腰痛)

次に特異的腰痛の中でも実際にかかることの多い疾患について解説していきます。

腰椎椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアは、背骨の間にあるクッションのような部分(椎間板)が変形して、神経を圧迫する状態を指します。

椎間板は、外側が固くて内側が柔らかい構造をしており、年齢が上がると固い部分が壊れやすくなり、柔らかい部分が飛び出して神経を圧迫することがあります。

これが起こると、腰やお尻、足に痛みやしびれが出ることがあります。

ただし、椎間板が飛び出していることが画像で確認できても、必ずしも痛みが出るわけではありません。

実際には、飛び出していても症状がないことが多く、時には自然に小さくなることもあります。

飛び出した椎間板は「ヘルニア」と呼ばれますが、神経に触れていない小さいものは「膨隆」と呼ばれます。

膨隆は年を取ると誰にでも起こる自然な変化です。椎間板ヘルニアは、特に長く歩いたり、重いものを持ったときに痛みが強くなることがあります。

 

腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症は、脊椎(背骨)の中を通る神経の通り道である脊柱管が狭くなる病気です。

この状態が腰部に生じると、腰部脊柱管狭窄症と呼ばれます。主に加齢による変化が原因で、中高年に多く見られます。

 

腰椎の圧迫骨折

腰椎の圧迫骨折は、腰部の脊椎(背骨)が圧力によって押しつぶされるようにして骨折する状態です。

主に腰椎の前部が圧迫され、骨の高さが低下することが特徴です。このタイプの骨折は、特に高齢者において骨粗鬆症が原因で起こりやすいですが、若い人では重い物を持ち上げる動作や事故による急激な圧力で発生することもあります。

 

筋筋膜性腰痛

筋筋膜性腰痛は、重いものを急に持ち上げたり、無理な姿勢を繰り返したりすることで筋肉に過度の負荷がかかり、筋肉を包む膜(筋膜)が傷つくことで発生する怪我です。

通常は数日で回復することが多いですが、負荷が続いたり寒さで血行が悪くなると、痛みやしびれが悪化し、腰痛の原因となることがあります。

 

腫瘍や内蔵の病気による特異的腰痛

今までに紹介した特異的な腰痛は腰そのものに原因があり、腰痛を発生させるものでした。

ですが特異的腰痛の中には腫瘍や内蔵による病気によって腰痛を発生させるものもあります。

 

脊椎腫瘍・脊髄腫瘍

脊椎や脊髄、その周囲の組織に発生する腫瘍。

腫瘍によって骨や神経が圧迫されると、腰痛やしびれ、筋力低下、感覚麻痺などの症状が出現します。

自然発生的にできる腫瘍と、他の臓器のがんが脊髄に転移する腫瘍の2種類があります。

 

化膿性脊椎炎・脊椎カリエス

化膿性脊椎炎と脊椎カリエスは、細菌感染によって脊椎に化膿が生じる病気です。

化膿性脊椎炎は主に黄色ブドウ球菌が原因で、急性の場合は腰や背中の激痛、高熱が特徴で、慢性の場合は痛みが軽いですが、脊椎の損傷や神経圧迫による下肢の麻痺が起こることがあります。

一方、脊椎カリエス(結核性脊椎炎)は結核菌が原因で、微熱、食欲不振、倦怠感があり、腰痛は化膿性脊椎炎よりも軽いですが、結核菌による広範囲の椎間板や脊椎の損傷が進行する恐れがあります。

どちらの病気も、背中をたたくと痛みが増し、通常の腰痛と異なり、痛みが6カ月以上続くことが特徴です。

これらは免疫力が低下している人に多く見られ、早期発見と治療が重要です。

 

消化器系の病気による腰痛

胃・十二指腸潰瘍、胆石、胆嚢炎、膵臓炎などの消化器系の病気から腰痛を発症することがあります。

泌尿器系の病気による腰痛

尿路結石、腎結石、腎盂腎炎、前立腺癌などの泌尿器系の病気から腰痛を発症することがあります。

婦人科系の病気による腰痛

子宮内膜症、子宮癌などの婦人科系の病気から腰痛を発症することがあります。

循環器系の病気による腰痛

心筋梗塞、解離性腹部大動脈瘤などの循環器系の病気から腰痛を発症することがあります。

 

左側の腰が痛い場合に関連する内蔵は?

左側の腰痛が発生する原因として、いくつかの内臓器官が関連している可能性があります。

これらの臓器の病態は、反射的に腰の左側に痛みを引き起こすことがあります。

ただし、実際の診断には医療専門家の検査が必要です。以下に、左側の腰痛に関連する可能性のある主な臓器を挙げます。

  1. 腎臓: 左側の腎臓に問題がある場合(例えば、腎臓結石や腎盂腎炎など)は、腰の左側に痛みが生じることがあります。
  2. 消化器系: 大腸の一部(特に下行結腸とS状結腸)や膵臓の障害は、左側の腰部に痛みを引き起こすことがあります。
  3. 生殖器系: 女性の場合、左側の卵巣に問題(例えば、卵巣嚢腫や卵巣捻転)があると、左側の腰部に痛みが生じることがあります。

 

右側の腰が痛い場合に関連する内蔵は?

右側の腰痛が発生する原因として、いくつかの内臓器官が関連している可能性があります。

これらの臓器の病態は、反射的に腰の右側に痛みを引き起こすことがあります。

ただし、実際の診断には医療専門家の検査が必要です。以下に、右側の腰痛に関連する可能性のある主な臓器を挙げます。

  1. 腎臓: 右側の腎臓の問題(例えば、腎臓結石や腎盂腎炎)は、腰の右側に痛みを生じる可能性があります。
  2. 消化器系: 胆嚢(胆石症や胆嚢炎)、肝臓(肝疾患や肝臓の拡大)、小腸や大腸(特に盲腸や上行結腸)の障害も、右側の腰痛に関連することがあります。
  3. 生殖器系: 女性の場合、右側の卵巣に問題(例えば、卵巣嚢腫や卵巣捻転)があると、右側の腰部に痛みが生じることがあります。

 

非特異的腰痛(原因が分からない腰痛)

日本整形外科学会の「腰痛診療ガイドライン」によると、腰痛の約85%は「非特異的腰痛」とされ、具体的な原因が特定できないものです。

この種の腰痛は、長時間の不良姿勢、運動不足、寒さによる筋肉の硬直などが原因で発生し、通常はセルフケアで短期間で改善しますが、休養不足やストレスがあると長期化することもあります。

急性の腰痛、例えばぎっくり腰も非特異的腰痛に含まれ、突然の無理な動作による腰の組織損傷が原因ですが、具体的な損傷部位の特定は難しいため非特異的腰痛に分類されます。

 

筋肉疲労・筋肉痛

筋肉疲労による腰痛は、筋肉の過度な使用やストレスによって引き起こされます。

この種の腰痛は、以下のような原因により発生することが一般的です。

原因

  1. 過度な運動や物理的ストレス: 筋肉を激しく使う運動や重い物を持つ作業が筋肉疲労の一般的な原因です。
  2. 不適切な姿勢: 長時間同じ姿勢でいることや不適切な姿勢は、筋肉に余計な負担をかけることがあります。
  3. 筋肉の不均衡: 特定の筋肉群が過度に使われる一方で他の筋肉が使われないと、筋肉の不均衡が生じ、腰痛を引き起こすことがあります。

症状

  • 筋肉の痛みと緊張: 腰の筋肉が硬くなり、痛みを感じることがあります。
  • 動きにくさ: 腰の筋肉疲労は、動きを制限し、日常生活に影響を与えることがあります。

 

ストレスによる腰痛

腰痛は心理的なストレスからも発症するという研究結果があります。

腰痛とストレスの関係性について説明します。

  1. 筋肉の緊張: ストレスは身体の筋肉、特に背中や腰の筋肉に緊張を引き起こすことがあります。この緊張が持続すると、筋肉が硬くなり、腰痛を引き起こす原因となります。
  2. 痛みの感受性の増加: ストレスは痛みに対する感受性を高めることがあります。つまり、ストレスを感じている人は、同じ身体的刺激に対して、より強い痛みを感じる可能性があります。
  3. 慢性化のリスク: ストレスが継続すると、腰痛が慢性化するリスクが高まります。ストレスが原因で腰痛が始まると、痛みが長引くことが多く、回復が遅れることがあります。
  4. 生活習慣の変化: ストレスを感じている人は、運動不足や不健康な姿勢を取りがちです。これらの生活習慣の変化も、腰痛の原因となり得ます。
  5. 心理的要因: ストレスは心理的な問題を引き起こすことがあり、これが腰痛を悪化させることがあります。例えば、不安やうつ病は腰痛の症状を強めることが知られています。

 

女性ならではの腰痛

女性は男性に比べて腰痛になりやすいと言われています。

原因としては下記の3つが主な原因と考えられています。

  1. 姿勢の悪さと筋力不足:女性は筋肉が付きにくい体質で、特に腰回りの筋力不足が腰痛の原因になりやすいです。また、ハイヒールを履くことで無理な姿勢になり、腰椎や筋肉に負担がかかることもあります。予防策としては、正しい姿勢を保ち、定期的な運動や筋力トレーニングが大切です。
  2. 生理によるホルモンバランスの乱れ:生理前後はホルモンバランスが変化し、体の不調を感じやすくなります。特にプロスタグランジンの分泌が多いと、強い腰痛が起こることがあります。腰痛緩和には、下腹部や腰回りを温める、ストレッチや入浴で血行を良くする方法が有効です。
  3. 妊娠や出産の影響:妊娠中は子宮や胎児の重さで腰に負担がかかります。また、お腹が大きくなると重心が前に傾き、腹筋の筋力低下により反り腰になりやすく、これが腰痛の原因になります。

 

女性の場合は上記の原因と年齢によって出やすい腰痛の種類も変わりますので年代別にも記載しておきます。

 

20代から30代の女性に多い腰痛の原因

  1. 姿勢の問題: 長時間のデスクワークやスマートフォンの使用による不適切な姿勢は、背中や腰に負担をかけます。
  2. ストレス: 仕事や家庭のストレスは筋肉の緊張を引き起こし、それが腰痛の原因になることがあります。
  3. 運動不足: 定期的な運動不足は筋力の低下を招き、腰痛のリスクを高めます。
  4. 妊娠と出産: 妊娠中や出産後は体の重心が変わり、腰に負担がかかりやすくなります。
  5. 月経関連の問題: 一部の女性は月経周期に関連して腰痛を経験します。

 

40代から50代の女性に多い腰痛の原因

  1. ホルモンの変化: 更年期に近づくと、女性ホルモンの変動が骨密度の低下や筋肉の弾力性減少に影響を及ぼすことがあります。これが腰痛の原因になることがあります。
  2. 骨粗しょう症: 骨の密度が低下することで脆弱になり、腰椎に影響を及ぼすことがあります。
  3. 体重の増加: 年齢と共に代謝が落ちるため、体重増加が腰への負担を増やします。
  4. 筋力の低下と柔軟性の減少: 運動不足や加齢による筋力の低下は、腰痛のリスクを高めます。
  5. 生活習慣: 不適切な姿勢やストレス、長時間のデスクワークなどが腰痛の原因となることもあります。

 

60代以上の女性に多い腰痛の原因

  1. 骨粗しょう症: 加齢による骨密度の低下が進行し、特に閉経後の女性では骨粗しょう症のリスクが高まります。これが脊椎に影響を与え、腰痛の原因となることがあります。
  2. 関節の変性: 加齢により関節の軟骨が摩耗し、関節炎や椎間板の変性が腰痛を引き起こすことがあります。
  3. 筋力の低下: 筋肉量が減少し、筋力が低下すると腰へのサポートが弱まり、腰痛のリスクが増加します。
  4. 姿勢の問題: 不適切な姿勢や長時間の同じ姿勢が腰痛を悪化させることがあります。
  5. 体重の増加: 体重の増加は腰への負担を増やし、腰痛の原因になります。

 

コラム:アルコールと腰痛の関係について

アルコールと腰痛の関係について、最近の研究では日常的に飲酒をする人はそうでない人に比べて腰痛の出現頻度が高いことが分かっています。

この関係の背後には、アルコールの分解過程でビタミンB1が大量に消費されることが関連しています。

ビタミンB1は筋肉疲労を和らげる働きがありますが、アルコール分解によってその量が減少し、結果として筋肉疲労が増加し、腰痛の原因になる可能性があります。

また長期間に渡って過度な飲酒を続けることで膵炎などを発症すると腰痛を引き起こす場合もあります。

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