症状別

TFCC損傷

みなさんこんにちは!

長野県長野市にあるみやざわ整骨院の院長の宮澤です。

今回はTFCC損傷について解説していきたいと思います!

  • 手首がずっと痛いけどこれってTFCC損傷かな?
  • 病院でTFCC損傷って言われたけどイマイチどんなものか分からない
  • どうやって治療していけばいいんだろう

とお悩みの方はぜひ、この記事を参考にしてください。

TFCC損傷とは

引用:https://okuno-y-clinic.com/itami_qa/tfcc.html

 

引用:https://okuno-y-clinic.com/itami_qa/tfcc.html

TFCC損傷とは手首の小指側にある「三角線維軟骨複合体(Triangular Fibrocartilage Complex:TFCC)」という組織が何らかの原因によって損傷した状態です。

TFCCは軟骨と複数の靭帯が組み合わさった組織で衝撃を吸収したり、関節を安定して動かすために非常に重要な役割を持った組織です。

TFCCの症状

TFCC損傷の最も特徴的な症状は手首の小指側の動作時痛です。

特にペットボトルの蓋を開ける、ドアノブを捻るといった捻る動きに伴って痛みを感じることが多いです。

また手首を反らす動きや尺屈(小指側に倒す)動きでも痛みを感じることがあります。

TFCC損傷の原因

TFCCを損傷する原因は大きく分けて

  1. 外傷性(ケガ)
  2. 加齢や使いすぎによる変形
  3. 先天的な骨格異常

の3つです。

外傷性のTFCC損傷

TFCC損傷でも最も多いのが外傷性(ケガ)による損傷です。

転倒して手をついた、重いものを持ち上げた、スポーツ(柔道、筋トレ、テニス、ゴルフ)などによる外的な衝撃によってTFCCを損傷してしまいます。

加齢や使いすぎによる変形

40歳以降では軟部組織の修復が遅くなることで日常的な負荷が積み重なりTFCCを損傷するケースがあります。

また、40歳未満の方でもデスクワークやスマホなどで日常的に手首を酷使していてTFCC損傷がおきるケースが増えています。

先天的な骨格異常

生まれつき手首の周囲の骨が大きすぎたり、小さすぎたりすることでTFCCに負荷が加わり損傷することがあります。

TFCC損傷のテスト方法

TFCCの損傷を診断するには

  • レントゲンやエコーによる画像検査
  • 動作や物理的な負荷をかけて行う徒手検査

以上の2つを総合的に見て判断します。

TFCC損傷の重症度について

TFCC損傷について明確な重症度を判断する基準はありませんが、私の経験をもとにTFCC損傷の重症度について書きたいと思います。

軽度損傷

軽度の損傷の場合、同じ動きをしていても痛みが出たり出なかったりするケースが多いです。

例えば筋トレで腕立て伏せをするときに痛みがでる。

だけどしばらくすると消える。

治ったと思ってもしばらくするとまた腕立てをする際に痛みが出てくる。

といったように同じ動きをしていても痛みが出たり消えたりするのが特徴です。このケースの場合は先述のケガによる損傷というよりも加齢による変形や慢性的な使いすぎによって炎症しては治って、また炎症を起こすを繰り返していると考えられます。

中度損傷

中度損傷の場合は外傷性のケガに多く、大体の患者様は痛くなったきっかけをはっきりと答えることができます。

また軽度損傷から徐々に悪化して中度損傷になるケースもあります。

また、痛みの出る動きと出ない動きがはっきりとしているので問診の際にも「こういう風に動かすと痛いです」と言われるケースが多い印象です。

重度損傷

重度損傷は交通事故や転倒といった激しい外力によって起きるケースです。軟骨が部分的に骨折しているケースも多くレントゲンにもはっきりと映ります。

重度損傷までいってしまうとどの方向に動かしても痛みがあり、安静時痛もあるため患者様の多くはTFCC損傷というよりも骨折を疑い、病院でTFCC損傷と言われるケースが多いです。

TFCC損傷は自然治癒する?どれくらいで治る?

TFCC損傷はなかなか治りにくい場所と言われています。

というのもTFCCは繊維軟骨と靭帯でできている組織ですが、その繊維軟骨部分には血管が通っていないため損傷しても栄養を送ることができないからです。

軽度の損傷であれば放っておいても自然治癒するかもしれませんが中度損傷以上ですと適切な治療を行わないと自然治癒する確率は低いと言えるでしょう。

TFCC損傷は病院に行くべき?行くなら何科?

前述した通り、TFCC損傷は自然治癒しにくいので適切な治療を行うためにもTFCC損傷が疑われる場合は病院に行くことをおすすめします。

レントゲンなどで検査をするので整形外科を受診するのが基本です。

TFCC損傷の治療法

ここではTFCCの一般的な治療法について解説していきたいと思います。

電気治療・温熱治療

電気治療と温熱治療はTFCC損傷の保存的治療(手術をしない治療)において行われます。

期待できる効果として

  • TFCC損傷部位の局所血流を改善し、酸素や栄養素の供給を増やすことで修復を助けます。
  • 組織の温度上昇により、筋緊張の緩和や痛みの軽減が期待されます。
  • 関節周囲が硬くなっている場合には、可動域の改善にも寄与します。

などがあります。

リハビリ

リハビリ療法では主に2つの段階に分けてリハビリを行い、回復を目指します。

段階①炎症期

炎症期は痛みが強く運動療法などができないため、まずは炎症を抑える(痛みを軽減させる)ためにリハビリを行います。

具体的にはサポーターなどの固定、患部に負荷がかからないための動作指導、患部以外の肩や肘の運動などをメインにリハビリを行います。

段階②回復期

回復期には患部の可動域改善、筋力の強化訓練、手関節の安定性の向上を目標にリハビリを行います。

手術

重度損傷の場合や保存療法を行っても症状が改善しない場合、生まれつき骨に変形がある場合は手術の適応になります。

整骨院や鍼灸院でTFCC損傷の治療はできる?

整骨院では急性症状(ケガ)であれば保険を使った施術が可能です。鍼灸院でも保険は使えませんが実費で鍼灸治療を受けることは可能です。

ただし、当院ではTFCC損傷の疑いがある患者様に対しては一度、整形外科を受診していただくことをおすすめしています。

TFCC損傷のセルフケア

この記事ではTFCC(三角線維軟骨複合体)損傷に対するセルフケア方法を紹介していますが、まずは整形外科など専門医による診断を受けることが大切です。手首の痛みには他の疾患が隠れている可能性もあります。
また、痛みや腫れが強い場合は無理に動かさず、安静を優先してください。

サポーターやセルフマッサージはあくまで補助的手段であり、状態によっては専門的な治療や手術が必要となることもあります。

症状が長引いたり悪化する場合は、早めの受診をおすすめします。

湿布

TFCC損傷の中でも炎症期(痛みが強いとき)には湿布の消炎鎮痛作用が期待できます。

湿布を貼る位置は

TFCC湿布-1

この写真の赤丸付近を目印にして湿布を貼ると良いでしょう。

また骨がゴツゴツしている場所なので貼り方も一工夫すると剥がれにくくなります。

TFCC-湿布2

上の写真のように湿布の長辺の真ん中に少し切れ目を入れておくことでゴツゴツした骨があっても湿布が浮いてペラペラすることなく貼ることができます。

それでも剥がれてしまう場合などはネット包帯なども一緒に巻いておくと良いでしょう。

TFCC損傷にはロキソニンテープがおすすめ!

TFCC損傷の患者様に「湿布はどんなものがおすすめですか?」と聞かれることがよくありますが当院ではロキソニンテープをおすすめしています。

おすすめの理由としては

  • 1日1回で24時間効果が続くこと
  • 鎮痛消炎効果が高いこと
  • 今まで施術させて頂いた方の声を聞くと最も効果が期待できる

からです。

特に下で紹介しているロキソニンテープは鎮痛消炎作用のあるロキソプロフェンナトリウム水和物分量が8.1gと他のロキソニンテープよりも多く入っているので強い痛みの方にはおすすめです。

 

サポーター

TFCC損傷においてサポーターは安静の保持や痛みのある動作を制限するために非常に重要なものです。

TFCC損傷において選ぶべきサポーターの基準は

  • 手首から小指側をしっかりサポート
  • 捻る動きを制限できる構造
  • 着脱しやすく、日常生活で使いやすい
  • 医療用またはスポーツ用の手首固定サポーター

の4点です。

TFCC損傷ではドアノブを捻る、ペットボトルの蓋を開けるなどの捻る動きで痛みを感じることが多いので、捻る動きをしっかりと止めてくれるサポーターを選ぶことが最も重要です。

私のおすすめのサポーターを紹介します。

 

まず紹介するのがこちらのサポーターです。

このサポーターは、TFCC損傷専用のサポーターとなっています。

販売している「竹虎」は日本の医療機器メーカーとしての実績も高く信頼できるメーカーと言えるでしょう。

TFCC損傷向けに手の甲側と小指側にステーが入っているのでTFCC損傷で最も痛みの出やすい、捻る動き、背屈(手首を上に反らす)、尺屈(手首を小指側に倒す)動きをしっかりとサポートしてくれます。

また

  • 左右兼用であること
  • 伸縮素材で付け心地が良い
  • マジックテープ式で装着が簡単

といった特徴もおすすめの理由です。

寝てるときはサポーターをつけるべき?

患者様から寝るときはサポーターをつけた方がいいですか?

と聞かれることがありますが基本的には就寝時のサポーターの着用はおすすめしていません。

理由としては

  • 長時間の圧迫で血流が悪くなりやすい
  • かぶれやかゆみの原因になる

からです。

一方で寝返りなどの不意の動作で痛みが出るケースでは就寝時でもサポーターをつけることをおすすめすることがあります。

テーピング

TFCC損傷ではテーピングを巻くことで痛みを緩和できる可能性があります。

ただしテーピングをつけ外しが面倒で毎日、貼るとなるとそれなりにお金もかかります。

ですので、もしテーピングで楽になるようであれば先程、紹介したサポーターを購入した方が良いでしょう。

テーピングのやり方はこちらの動画を参考にしてみてください。

ストレッチ

TFCC損傷についてはストレッチはしない方が良いかと思います。

なぜかというとストレッチというのは基本的に固くなっている筋肉に柔軟性を向上するために行いますがTFCC損傷では筋肉が固まっているから痛みが出ているのではなく傷があるから痛みが出ているからです。

つまりストレッチを行うことで症状を悪化(傷口を広げてしまう)させてしまう可能性があるからです。

リハビリで回復期などではストレッチが導入されることもありますがセルフでストレッチを行うことはやめて方が良いでしょう。

サプリメント

あくまで補助的な役割ですがサプリメントを摂取することで損傷部位の修復を早めてくれる可能性があります。

私がおすすめするサプリメントはこちらです。

このサプリメントにはTFCC損傷の回復に必要な3つの成分を補給することができます。

  • グルコサミン
     軟骨の主成分のひとつで、関節の弾力や滑らかな動きをサポートします。年齢や負荷によって減少しやすく、補うことで関節の違和感を和らげる効果が期待されます。

  • コンドロイチン
     水分を保持して軟骨を柔軟に保つ働きがあり、関節のクッション性を支えます。グルコサミンと併用することでより高い効果が見込まれます。

  • プロテオグリカン
     近年注目されている軟骨成分で、少量でも強力に働きかけるのが特徴です。軟骨の再生や保護に関わる重要な成分です。

まとめ

TFCC損傷について解説させていただきました。

TFCC損傷はなかなか自然治癒しない難治性の症状です。

もし、この記事を読んで「TFCC損傷かな?」と思った場合は整形外科を早めに受診することをおすすめします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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