みなさんこんにちは。
長野県長野市にあるみやざわ整骨院の院長、宮澤です。
今回はスウェイバック姿勢についての解説をしていきたいと思います。
あまり聞き慣れない言葉だと思いますが当院で姿勢分析をした患者様の半数以上はこの姿勢に当てはまります。
肩こりや腰痛などの原因にもなる姿勢です。また、見た目もあまり良くないのでなるべく早く治すことをおすすめします。
目次
スウェイバック姿勢とは?
スウェイバック姿勢とは上の画像のように上半身が下半身よりも後ろに位置した状態の姿勢です。
骨盤が前に移動する(お腹を突き出したような姿勢)になることで腰は反り腰になります。
反り腰になることで重心が後ろになり、倒れてしまわないよう背中を丸めてバランスを取ろうとします。
そのため猫背、巻き肩、ストレートネックなどの原因にもなってしまう姿勢と言えます。
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スウェイバック姿勢になる原因
スウェイバック姿勢が起きる原因は色々とありますが個人的には運動不足と座位中心の生活による
- 腹腔内圧の低下
- 大腿四頭筋、腸腰筋の弱化
- ハムストリングスの短縮
が要因になっていると考えています。少し難しい話になりますがなるべく簡単に書いていきたいと思います。
腹腔内圧の低下とは
腹腔内圧(ふくくうないあつ)とはお腹の中の圧力を示す言葉です。
イメージしやすく言うとお腹の中に風船がある状態をイメージしてみて下さい。
風船に空気がパンパンに入っている状態を腹腔内圧が強い状態。
空気が抜けてしぼんでいる状態を腹腔内圧が低い状態と言います。
腹腔内圧が低い状態だとお腹の中の空気が抜けている状態なので姿勢が安定しません。
最初は真っ直ぐに立っていても時間が経つとヘニャヘニャっと姿勢が悪くなってしまうイメージです。
一方で腹腔内圧が高い状態。お腹の中の風船に空気がパンパンに入っている状態なら体幹が安定するため良い姿勢を長時間キープすることができます。
現代人は運動不足や座っている時間が長いため腹腔内圧を高めるためのインナーマッスルが弱くなりやすく、結果としてスウェイバック姿勢を引き起こしてしまうのではないかと考えられます。
大腿四頭筋・腸腰筋の弱化
大腿四頭筋は太ももの前側にある筋肉で立った時に重力に負けないように姿勢を真っ直ぐ支えるための抗重力筋として働きます。
また骨盤を前傾させることにより脊椎のS字カーブを支える役割があります。
腸腰筋はお腹の奥(腰椎)から股関節の内側に付着しており、骨盤の前傾や脊椎のS字カーブを支える役割があります。
スウェイバック姿勢の方は上の画像だと右側の骨盤が後ろに倒れてしまう後傾タイプに当てはまります。
大腿四頭筋や腸腰筋は歩くときに足を持ち上げるために必要な筋肉ですので現代人のように歩くことが少なくなってしまうと筋力が弱くなりどんどんと骨盤が後傾してしまいます。
ハムストリングスの短縮
ハムストリングは太ももの裏についている筋肉ですが大腿四頭筋の拮抗筋(反対の動きをする筋肉)で大腿四頭筋が弱くなると相対的にハムストリングスが短縮します。またデスクワークなどで椅子に座っている時間が長いと座面による圧迫で血流不足となりハムストリングスの短縮の原因となります。
ハムストリングスが短縮することで骨盤の後傾が起こり、スウェイバック姿勢の原因になっていると考えられます。
スウェイバック姿勢の治し方
スウェイバック姿勢を治すには原因に対して対処していく必要があります。
つまり
- 腹圧を上げる
- 大腿四頭筋や腸腰筋を鍛える
- ハムストリングを柔らかくする
これらをやる必要があります。
腹圧を上げる方法
腹圧の正式名称は腹腔内圧と言い、横隔膜より下のお腹の中の空洞部分を言います。上側が横隔膜、前面と側面が腹筋群(腹直筋、腹斜筋、腹横筋)、後面が背筋郡(多裂筋、胸腰筋膜、脊柱起立筋)、下面が骨盤底筋群で囲まれています。
これらの筋肉が壁となることで腹圧を高める働きをします。
スウェイバック姿勢の方はこれらの筋肉が弱くなっていることが多く、壁としての役割を果たせないことで腹圧が低下しているケースが多々あります。
ブレーシングのやり方
ブレーシングはインナーマッスルである腹横筋、外腹斜筋、内腹斜筋、多裂筋、骨盤底筋群、横隔膜を同時に鍛えることができる運動方法です。
運動と言っても呼吸法による運動ですので特別な道具も要りませんし場所を選ばずにできるのでこの記事を読んでいる方はぜひ、一緒にやってみて下さい。
①まず仰向けで膝を立てて寝ます。
②鼻から息を吸ってお腹を膨らませます。(お腹の前側だけでなく横側も膨らむように)
③その状態をキープして浅い呼吸を繰り返す(30秒程度)
初めてやる方はお腹の前側は膨らみますが側面が凹んだ状態になりやすいです。
そのためお腹の側面に手を当てて側面も膨らんでいるかチェックしながら行うと良いでしょう。
大腿四頭筋・腸腰筋のトレーニング方法
次に姿勢の保持や脊椎のS字カーブを作るために必要な大腿四頭筋と腸腰筋のトレーニングを紹介します。
大腿四頭筋のトレーニング
大腿四頭筋のトレーニングはたくさんありますが、スウェイバック姿勢の方は筋力が弱くなっているので最初はとても簡単な運動からすることをおすすめしています。
今回は椅子に座ったままでもできる大腿四頭筋のトレーニングをご紹介します。
①椅子に浅く腰掛けます
②片側の足をゆっくりと伸ばしていきます。膝が伸び切ったところで10秒ほど止めてゆっくりと下に下ろします。つま先は天井の方に向くように意識してトレーニングを行うと効果がアップします。
③左右交互に10回程度繰り返します。
10回でも辛い場合は減らしても大丈夫です。まずは普段使っていない大腿四頭筋を動かしてあげるというイメージでやってあげると良いでしょう。
腸腰筋のトレーニング
腸腰筋のトレーニングもたくさんの種類がありますが今回はレッグレイズと言う腸腰筋のトレーニングをご紹介します。
① 床に仰向けで寝ます
② 膝を伸ばした状態で床から足を浮かせます
③ ゆっくりと足を上げて3秒間、キープします
④ ゆっくりと戻していきます。
最初は10回を目標にやってみましょう。もし、10回できない場合は回数を減らしてできる範囲で行います。
ポイントとして
- 息は止めずに自然な呼吸で行う
- 反動はつけずにゆっくりと行う
この2つを意識してやってみましょう。
ハムストリングスを柔らかくする方法
最後はハムストリングスを柔らかくするストレッチ方法を紹介します。
タオルを使ってやる方法
仰向けで寝た状態でつま先にタオルを引っ掛けてゆっくりと伸ばしていきます。これ以上、伸びないというところで30秒から1分キープしてみましょう。
体が硬い人の場合は上の写真のようなタオルでは短すぎる場合もあります。そのような場合はバスタオルのように長いタオルがおすすめです。
ストレッチのポイントは
- 反動をつけずにゆっくりと行う
- 自然な呼吸を意識する
この2つを意識してあげるとより効果的なストレッチになるのでぜひ、試してみて下さい。
段差を椅子などを使って行う方法
少し高めの椅子や段差を使ってハムストリングスをストレッチする方法をご紹介します。
やり方は簡単で
① 段差に踵を乗せます(つま先はなるべく上を向くように)
②膝の上に手を当てて膝を真っ直ぐに固定します
③上半身を倒していきハムストリングスを適度に伸ばしていきます。これ以上いかないというポイントで30秒から1分程度止めて反対側の足も伸ばします。
このストレッチ方法の良いところはつま先を内側や外側に向けることで外側のハムストリングスや内側のハムストリングスを中心に伸ばすことができる点です。
時間に余裕のある人はつま先の角度を変えてストレッチしてみましょう。
まとめ
ここまでの内容を簡単にまとめます。
- スウェイバック姿勢はお腹を突き出したような姿勢のこと
- スウェイバック姿勢になる原因は①腹腔内圧の低下②大腿四頭筋や腸腰筋の筋力低下③ハムストリングスが固くなっている
- 適切な運動やストレッチを行うことでスウェイバック姿勢は治せる
姿勢を改善するには時間がかかりますが地道に続けていくことで改善できます。
この記事で紹介した運動やストレッチなどを参考にスウェイバック姿勢を治しましょう。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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